Ⅳ.始動不良

ロータリーエンジン車両に多い始動トラブルを紹介します。原因は多岐にわたりますがここでは
 エンジンの稼働条件となる3原則「圧縮」「混合気」「点火」に絞り、事例を紹介します。

  1.圧縮低下

 走行距離、走行状況、オイル選び。様々な要因でエンジンの圧縮は変わります。
 極度に圧縮の落ちたエンジンだと始動性に難が出てきます。
 定期的に圧縮も測定し、エンジンの状態を把握しましょう。
  ※O/H推奨圧縮値 各燃焼室圧縮比 7.0以下
           前後ローター差 1.0以上
           各燃焼室差   1.5以上

  作業目安  :¥5,000~(エンジンコンプレッション測定)
  推奨同時作業:プラグ交換

  2.燃料系

 エンジン内に燃料を噴射し混合気を作り出すインジェクタ。ECUからの信号で適切な量のガソリンを噴霧しています。
 長年の使用によりインジェクタの詰まり、漏れ、噴霧不良といった症状が出てきます。
詰まりや噴霧不良はアイドリングや、走行時に顕著に症状が出ます。
 インジェクタより漏れがある場合エンジン停止後に残圧を保持出来ず、再始動の際に燃圧が十分に掛かるまでのラグが発生します。
 またインテーク内に漏れ出た燃料で始動が困難になる場合もあります。
 インジェクタの不良はノッキングの発生やエンジンブローに直接繋がります。
 気になる症状が有れば早めの点検をお勧めします。

  作業目安  :51,000~(プライマリーインジェクター交換)
  推奨同時作業:バキュームホース交換、エンジンハーネス交換、他

   3.点火系

 ロータリーエンジンはその特殊な構造上スパークプラグの負担が大きいです。
通常レシプロエンジンではスパークプラグの点火回数はエンジン回転数の1/2。ロータリーエンジンではその倍の
 点火数となる為、摩耗が早く定期的な交換が必要になります。走行状態により変動はしますが6000km~10000kmごとに点検、交換が必要です。
 また点火時の燃焼室形状が細長くなることから、燃焼効率を良くする為に1ローターにつき2本のプラグを設定しています。

  作業目安  : ¥11,600-
  推奨同時作業:圧縮測定、プラグコード、イグニッションコイル、他