
前回HKS GTⅢタービンを装着してセッティングしたわけですが、ストリートで使用する上で大パワーのFR車両というのは、冬場のタイヤが冷えている時や雨の日の滑りやすい状況下など3速でも急にトルクの上がるところではホイルスピンしまくるのです。
この様にチューニングし暴力的な加速する車両(FD3Sなどのスロットルワイヤー方式)は、当たり前ですがドライバー自身でアクセル制御しないといけません。
普段から気の抜けない状況下で運転するには神経を使い運転に疲れる訳なので、今の時代全ての車両はDBW(電スロ)になって、ドライバーの意に介せず、事故等未然に防ぐなどの車両側で制御することが可能になっているのですね。
話は今回の本題に戻しますが、経験上FR車両でトルク50kgmが出る様な車両は低いギアではスリップしやすく、ふとした時にヒヤッとする事が多々ある為、今回この車両も電スロ化するに至りました。
用意するものは…
電子アクセルペダル・電子スロットル・各種取付用アダプター・フルコン となります。
今回作業するポイントは
① ノーマルに簡単に戻せる様にする事
② 車両側ノーマルハーネスは一切加工しない事
これはオーナーが今後売却等によりノーマルに戻したいという事もあり得ることから、その様にしました。
ノーマルハーネスを加工しないというのが実に面倒でフルコン側のカプラー入替や新設で全てのハーネスを使い切り、何とか始動に漕ぎ着けました。


電子アクセルペダルも綺麗にインストール出来無事に始動からのセッティング。

電子スロットル化によるメリットはレスポンスだけでなく、何より古くなった純正スロットルの複雑な機構とファーストアイドル用のサーモワックス劣化やカムがすり減り等で動きが悪くなっている部分を全て電子スロットル制御出来るので今後のトラブルフリーにも繋がります。
もちろんメインはトラクションコントロールができる様にしたかったのが今回のメインではありますが、ブリッピングやアンチラグ等のスポーツ側に特化する事も可能。
パワーなどは大きく変わりませんが、メインマップが20×20から32×32と大きく広がったことにより、よりきめ細かくセットアップ出来ました。
例えば4800rpm付近で少しふらつきがある様な場面で、マップ格子が4600rpm次の格子が5000rpmだと行を増やし追加で4800rpmのマップを制作しピンポイントで改善できるということ。
今回は回転数(0から8000rpm)マップだけでも26行分使用しているので約300rpm毎にマップを作ったことになります。
結果

緑 0.8kpa
オレンジ 0.9kpa
赤 1.0kpa
となりパワー的に400psを超えるとエンジンの耐久性が著しく落ちるので、お客様には0.9kpa以内で使ってもらう様にしました。

セッティング時にはオプション誌の取材もあり、次号に今回の詳しい内容が紹介される予定です。
気温24.9℃ 気圧 1004.16mbar 湿度 59.4%
R7.6.17
オートクラフト白髭